仕事の自動化
Makeのルーター設定:問い合わせの種類でSlackの通知先を分ける
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問い合わせを確認するたびに、「これは営業へ」「これはサポートへ」とSlackに転送していませんか。受付時に種類が決まっているなら、Makeで通知先を分ける流れを組めます。
Makeは、アプリの処理を画面上でつないで自動化するノーコードツールです。この記事では、受付表に追加された問い合わせを読み、見積もり相談は営業用、使い方の質問はサポート用、それ以外は確認用のSlackチャンネルへ送る設定を紹介します。文章をAIで分類する方法ではなく、受付の「種別」に基づく振り分けです。
通知先を3つに分ける配置
問い合わせを受け付けた後の転送をMakeに任せる
Fallback(受け皿)
画面に置く部品は、Google Sheetsの「Watch New Rows」、Flow controlの「Router」、通知先ごとのSlack「Send a Message」です。ルーターで経路を増やし、つなぐ線のフィルターで通す条件を指定します。追加操作の実画面はMake公式のルーター追加ガイドで確認できます。
一部の問い合わせだけを同じチャンネルへ通知したいなら、フィルターだけで絞る設定で足ります。この記事は、内容によって届ける相手が変わる受付が対象です。
最初に、振り分けの答えを決める
テスト用のGoogleスプレッドシートに「受付ID」「種別」「概要」の3列を作り、次の架空データを入れます。送信先もテスト用チャンネルを3つ用意します。実際の顧客情報は動作を確認してから扱ってください。
| 受付ID | 種別 | 概要 | 通知先 |
|---|---|---|---|
| T-201 | 見積もり相談 | 制作費用を相談したい | 営業用だけ |
| T-202 | 使い方の質問 | 設定方法を知りたい | サポート用だけ |
| T-203 | その他 | 担当窓口を確認したい | 確認用だけ |
| T-204 | (空欄) | 種類を選び忘れた | 確認用だけ |
「通知先」は答え合わせのための列で、シートへ入力する必要はありません。T-204の種別は「(空欄)」という文字を入れず、セルを空にします。本番では種別を選択式にすると、「見積」「見積もり」といった表記の違いを減らせます。
1.受付行の読み取りと3本の経路を作る
- Makeで新しいシナリオを作り、Google Sheetsの「Watch New Rows」を追加します。
- Google接続、テスト用ファイル、対象シート、見出し行を指定し、取得件数を4以上にします。接続から読み取りまでの詳細はGoogle Sheets連携の入門手順を参照してください。
- 次の部品としてFlow controlの「Router」を追加します。既存の2つの部品の間に置く場合は、接続線を右クリックして「Add a router」を選びます。
- ルーターの「+」から経路を増やし、合計3本にします。それぞれの先にSlackの「Send a Message」を置きます。
まだ定期実行は有効にせず、各Slack部品を営業用・サポート用・確認用のテストチャンネルへ接続します。組織側でアプリ接続が制限されている場合は管理者への確認が必要です。Slackの接続項目は公式の連携資料で確認してください。
2.営業用とサポート用の条件を設定する
ルーターから営業用Slackへ伸びる線をクリックし、フィルターを開きます。Google Sheetsの出力から「種別」を選び、文字列が等しいかを判定する「Text operators: Equal to」で「見積もり相談」と比較します。サポート用の線も同様に、比較先を「使い方の質問」にします。
左側は読み取った行の種別の項目を差し込む欄です。「種別」という文字を直接入力しても、その行の値にはなりません。右側には比較したい選択肢を文字で入力します。設定の仕組みはMake公式のフィルター解説に基づきます。
この例では、1つの種別が同時に2つの文字列と一致しないようにしています。「見積もりを含む」と「相談を含む」のような重なる条件に変えると、両方へ通知される可能性があります。
3.分類できない受付はFallbackへ送る
3本目の線をクリックしてフィルターを開き、Fallback routeの指定を「Yes」にして保存します。この例では追加の絞り込み条件を付けません。営業用・サポート用のどちらにも合わなかった受付を確認用チャンネルへ送ります。
条件のない通常の経路と、Fallbackは違います。条件を付けないだけの通常経路は、営業用に合った受付も通します。Fallbackを明示的に選ぶことで、ほかの条件に当てはまらない受付の受け皿になります。根拠:Make公式:Router。
Fallbackは送信エラーの再送先ではありません。営業用の条件に合った後でSlack送信に失敗しても、それを理由に確認用へ送る仕組みにはなりません。実行履歴のエラーを別に確認する必要があります。
4.通知文に受付IDを入れて、4件で確かめる
各Slack部品のText欄へ、次の形式でGoogle Sheetsの項目を差し込みます。角括弧は説明用です。実際にはMakeの項目一覧から値を選びます。差し込み操作は公式のMap dataガイドを参照してください。
新しい問い合わせ 受付ID:[受付IDの項目] 種別:[種別の項目] 概要:[概要の項目]
確認用の先頭だけ「分類の確認が必要な問い合わせ」に変えると、受け取った人が次にする作業も分かります。3つの本文とシナリオを保存したら、テスト専用シートのGoogle Sheets部品で「Choose where to start」→「All」を選び、「Run once」を実行します。これは公式のテスト手順を今回の4件に合わせた例です。
- 営業用にはT-201だけが届く。
- サポート用にはT-202だけが届く。
- 確認用にはT-203とT-204が届く。
- 同じ受付IDが別のチャンネルへ重複して届いていない。
届いた件数だけでなく、受付IDと通知先を照合してください。この結果は設定例の期待値であり、当サイトが実際の業務データで検証した記録ではありません。「All」での再テストは同じ受付を再送する可能性があるため、本番表では開始位置を改めて決めます。
二重通知や通知漏れがあるとき
| 起きたこと | 見る場所 |
|---|---|
| 営業用と確認用の両方に届く | 3本目が条件なしの通常経路になっていないか。FallbackがYesかを確認。 |
| 営業用とサポート用の両方に届く | 条件が重なっていないか。ルーターは最初の一致だけで止まらない。 |
| 全部確認用へ届く | 種別の差し込み、比較文字列、前後の空白や表記を確認。 |
| どこにも届かない | Google Sheetsが4件を出力したか、Slack側の接続・送信先・実行エラーを順に確認。 |
| 種別の修正後に再通知されない | Watch New Rowsは新規行の読み取り。既存行を書き換えた場合の再振り分けは別の設計が必要。 |
RouterとIf-elseは目的で選ぶ
Routerは、条件に合う経路を設定順に処理します。同時に並列実行するという意味ではなく、複数の経路を順番に進められる仕組みです。今回のような重ならない種別なら1件を1つの通知先に分けられます。
一方、複数の条件に合っても最初の1経路だけを実行したい、分岐の後に共通処理へ合流させたい場合は「If-else」と「Merge」を検討できます。MergeはRouterの経路を合流させる部品ではありません。最新の使い分けは公式のIf-else and Merge解説を確認してください。
無料で試す範囲と、使い始める目安
2026年9月17日確認のMake公式料金表では、Freeにルーターとフィルターが含まれ、月1,000クレジット、定期実行の最短間隔は15分です。Router自体はクレジットを消費しませんが、受付の読み取りやSlackへの送信は別です。確認頻度を上げれば無料枠が先に尽きる可能性があります。確認間隔とクレジットの試算も合わせて確認してください。
問い合わせが少なく、担当者が迷わず確認できるなら、今の手作業でも十分かもしれません。転送の繰り返しや担当外の通知が負担になっているなら、まずは架空の4件を正しいチャンネルへ届けるところから試せます。Makeを無料で試す(広告)。登録後は新しいシナリオにGoogle Sheetsの「Watch New Rows」を置き、上のテスト表を選ぶところから始めてください。